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バッハ イギリス組曲

音楽の父、バッハのイギリス組曲が好きです。

お気に入りはポゴレリッチの演奏。

透明感のある音色、メロディーが浮き立つ弾き方がとても素敵。
テンポの解釈もとても自然で音楽がドライブしています。
のりのりって事ですね。

なんでバッハが音楽の父かと言われるとたくさんの意見がありますね。
学者の解釈は色々あれど、僕の考えは

現代対位法の確立である。

の一言です。

ちと専門的な事を書くと音大で習う「厳格対位法」という授業があります。
ホセ・テホンという人が書いた「パレストリーナ様式による対位法」がテキストです。
ヨーロッパの音大入試では必須のもので、僕も留学準備中に死ぬほど勉強しました。
パレストリーナはルネサンス時代の作曲家でイタリアのサン・ピエトロ聖堂の楽長を
勤めていた人です。
ルネサンスマニアで知らない人がいたらモグリです。

現在でもパレストリーナの対位法が最も素晴らしいことは確かですね。
ちなみにルネサンス時代の対位法はカントゥスフィルムス技法で書かれていました。
カントゥスフィルムスとは定旋律の事で初めに提示されるテーマです。

テーマは古典旋法でなくてはなりません。
古典旋法とは、ドリア、フリギア、リディア、ミクソリディアの正格旋法と
ピポがつく変格旋法の合計8種類の旋法です。
わかりやすいのはグレゴリア聖歌で使われているメロディーですね。

話はバッハに戻ります。

みなさんご存知の「平均律クラヴィーア曲集」は古典旋法ではないんです。
現代の調性で、しかも全調性が使われているのが画期的なんですね。

またしても面倒いお話ですが、現代の楽器(特に鍵盤楽器)は平均律で調律
してあります。
平均律に対して純正律というのがありまして、これは調性によって調律が違います。
極端な例ですが、バロック時代にはハ長調からト長調に転調するときに二台の
チェンバロを弾き分けていた事もありました。

で、バッハの時代に平均律が確立して全調性が一台の鍵盤楽器で弾けるようになったんですね。

画期的です!

最後にポゴレリッチの演奏の素晴らしさはディナーミク(強弱)の解釈です。

バッハの時代には強弱をつけられる鍵盤楽器はありませんでした。
パイプオルガンはストップを変えて強弱をつけますが、クレッシェンドや
ディミニエンドはできなかったわけです。

フレーズの中でディナーミクをつける事はバッハの頭の中にはなかったのですから、
解釈は自由です。

バッハが聞いたらどう思うのかをイメージしながらポゴレリッチのイギリス組曲を
聞いているとバッハが笑顔を返してくれるような気がします。

ぜひ一度聞いてみてください。


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プロフィール

Yoshihiro Chiba

Author:Yoshihiro Chiba
指揮者、東京芸術大学講師。
オペラを中心にオーケストラや宗教曲もレパートリーにしている。

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