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モーツアルトレクイエム

指揮者で音楽学者でもある、アーノンクールの言葉で非常に興味深い一言があります。
『私はモーツアルトのレクイエムを指揮していてサンクトゥス、ベネディクトゥス、アニュスデイがジュスマイヤーが作曲したとは思えない』という一言です。

モツレクと言えばモーツアルト最後の作品として、あまりにも有名ですが、ラクリモーサの八小節目で、息絶えた事は確かです。ただし、これはモーツアルトの弟子のアイブラーが、その場所にモーツアルトはここまで作曲して死んだと楽譜に書き込んでいるからです。
良く間違えられているのは、ラクリモーサ以降のオッフェリトリウムもモーツアルトは通奏低音と合唱のパートは書いている事です。実際に全く作曲していないのは、サンクトゥス、ベネディクトゥス、アニュスデイの三曲だけなのです。ただし、これはベーレンライターのジュスマイヤー版による解釈です。
一時期、良く演奏されていたバイヤー版も、曲の長さは全く同じで、若干オケのパートと合唱のパート(ラクリモーサ)が違うだけです。
他にはランドン版やレヴィン版などがありますが、レヴィン版は近年発見されたアーメンフーガのスケッチを元にラクリモーサのアーメンフーガの復元に挑戦しています。ただし、個人的意見でいえば、これは、あくまで学術的なものでしか無く、演奏する価値があるかと言われれば、クエスチョンです。

アーノンクールの言葉に戻ってスコアを見てみると、ジュスマイヤーがこれだけの曲を作曲出来たかは疑問ですが、実際、ジュスマイヤーの作品はほとんど残っておらず、しかもCDになっているものは数曲しかありません。
これだけの資料をもとに、ジュスマイヤーの作品では無いといいきれないのも事実です。

私たち演奏家は、この疑問を一生背負って演奏しなければいけないのでしょう。
こんな大きな疑問を残して死んで行ったモーツアルトは偉大です。
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プロフィール

Yoshihiro Chiba

Author:Yoshihiro Chiba
指揮者、東京芸術大学講師。
オペラを中心にオーケストラや宗教曲もレパートリーにしている。

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